珍しく雨の降った前祭の巡行に、炎天下のもと行われた後祭の巡行。
お天気に負けずに鉾を曳かれた方々、巡行に参加された方々勇姿に四条河原町も盛り上がりを見せておりました。
祇園祭に向けて浴衣をお仕立てされた恵理子さんたちもお祭りを楽しまれたことでしょう…
さて、そちらの「大人浴衣ものがたり」でもちらっと出ておりました仕立ての場面。
手縫いの良さや柄の出し方の工夫についてお話しさせていただきましたが、今回はもう少し深掘りしてご紹介いたします。
お着物の仕立て方、をお伝えするには私もまだまだ知識が足りませんので、基本的なところから手縫いの魅力について知るためのポイントを中心にお伝えさせていただきます。
ゑり善では新人社員を対象に、8月に夏季研修を行っております。
以前も成果報告を兼ねて絞りの技法についてご紹介させていただきましたが、昨年は仕立屋さんにもお話を伺ってまいりました。
今年の研修も約1か月後に迫ってまいりましたので、その前に昨年の研修の振り返りを兼ねてお話しさせていただきます。
〈きものの仕立てについて〉
~キーワードその1『つまり』~
仕立ての世界は経験が要だといいます。
生地の縮みやすさなどの状態を見極めながら、それぞれの生地に合わせて縫う強さや糸のひっぱり具合を調整していくからです。
経験を積むために、生地を知るためにまずは生地をまっすぐ縫う練習からはじまるそうです。
最初に木綿と木綿、それができるようになったら木綿と絹を縫う練習へすすみます。違う素材はまっすぐ縫うことが難しくなります。これは素材によって生地の縮み具合である「つまり」具合が異なるからです。つまりを見越して、余裕を持たせた縫合わせが必要になるのです。
様々な生地をまっすぐ縫えるように練習しながら生地の特徴、きれいに縫うための工夫の仕方を知っていきます。
~キーワードその2『地の目』~