きものを愉しむ

2023/03/16

季節を愉しむ

早いところでは桜も咲き始める季節となりました。

いつもご覧いただきありがとうございます。
本店・営業の久保田でございます。

だんだんと暖かい時間が増えてきて、なんだか気持ちも明るく前向きになってきますね。
お出かけ日和の今日この頃です。

 

さて、以前この「きものを愉しむ」にて、お着物を始めるにあたってのおすすめをご紹介いたしました。
今回はそこからもう一歩踏み込んだ愉しみ方をご紹介させていただきたく思います。

お着物を一通り揃えたけれど次は何を誂えよう…?
もっとコーディネートの幅を広げたい…!

そんな、きもの初心者さんを卒業された方へ。
次はお着物にとって大切な要素のひとつ、「季節感」に焦点をあててみませんか。

 

お着物を始めたての頃はまずは一着、といつでも着られるお柄を選んでしまいがち。
お着物はお召しになってこそだと思いますのでそちらも大事なことです。
そこに季節感をプラスするとコーディネートの幅もぐっと広がります。

その時期らしい色合いを選んでみたり、季節のお花をお柄に取り入れたり…
遊び心をもって、ハロウィンやクリスマスなどのイベント事の帯を締めたり…

季節が限定されてしまうと少しの期間しか着ることはできませんが、
贅沢な特別感を味わうことができます。それもまた一興ではありませんか。

 

~季節感を取り入れるときの注意点~

季節は先取りをするもの、ということをご存じでしょうか。
その季節真っ只中になるとやはり本物に勝る物はない、となってしまうのです。
例えば、春のお花の代表、桜で考えてみますと、だんだんと気候が暖かくなりもうすぐ春がやってくる、
桜も咲き始める、という頃に桜のお柄を身につけていただくことをおすすめいたします。
満開になるとお花見をしたくなりますね。主役は本物の桜に譲ることになるのです。

 

~この時期のおすすめ~

では、今の季節に合わせてお仕立てをするならどのようなお柄がよいのでしょうか。
おすすめをいくつかご紹介させていただきます。

〈その壱〉

今の時期ですと、藤など4月から5月にかけて咲くお花を身につけるのが良いでしょう。


こちらのなごや帯は大胆に藤が描かれ、ぱっと目を引きます。
黒地に様々なお色が使われているのもポイント。
華やかさもあり、また、様々なお着物と合わせやすい一品です。

今回は、春らしさを感じるお色味の色無地と合わせてみました。
色無地はお柄のない分、帯をより引き立たせてくれるので、
季節感を強調した帯と合わせるのにもおすすめです。
袋帯から染帯まで、着用シーンによって幅広く帯合わせが出来るところも汎用性の高いところ。

〈その弐〉
訪問着や留袖など、フォーマルなお着物に描かれるお柄は
四季のお花や吉祥文様など、季節を問わずお召しになれるものが多いので、
お着物に季節感を取り入れる場合、普段着としてお召しいただけるもので
楽しまれるのはいかがでしょうか。


こちらはるりはこべをモチーフとした小紋です。
るりはこべとは3月から5月にかけて、ヨーロッパ・アジア・アフリカなどの温帯・亜熱帯で咲くお花です。
少し耳馴染みのない植物かもしれませんが、春はたくさんのお花が咲き始めますので
「これは何のお花が描かれているの?」と会話が盛り上がるのも楽しいですね。

〈その参〉
お着物や帯を誂えるにはお仕立てにお時間をいただきますので、
季節感を取り入れたくなっても一か月後にはもう時期を逃してしまうだろうか…
という悩みも出てくると思います。そんなときにおすすめなのが小物に季節感を忍ばせること。
すぐにコーディネートに取り入れることができます。


こちらのゑり善オリジナルの半襟は青紅葉を描いています。
紅葉は秋のイメージもありますが、色づく前の青紅葉は春にお召しになることができるのです。
青々しさに爽やかな印象を受けますね。一足先に新緑の季節へと参りませんか。

 

今の季節にぴったりのお着物があるけれど着ていく場所がないわ…という方に朗報です!

京都本店では現在「きものでお出かけスタンプラリー」を開催中でございます。

お着物でお出かけになって、春の景色を楽しみながら、カフェや甘味処でご一服。
穏やかで素敵な春のひとときを過ごされてはいかがでしょうか。
スタンプを集めた方にはささやかなプレゼントもご用意いたしております。
冊子はゑり善京都本店にございますので、どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。

本店営業・久保田真帆

京都・銀座・名古屋にて呉服の専門店として商いをする「京ごふくゑり善」の代表取締役社長として働く「亀井彬」です。
日本が世界に誇るべき文化である着物の奥深い世界を少しでも多くの方にお伝えできればと思い、日々の仕事を通して感じることを綴っていきます。