伝えたい技

2024/02/07

いつもブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。
ゑり善の亀井彬でございます。

朝晩の冷え込みが厳しいこの時期ですが、節分もすぎ、何か少しずつ春の足音を感じる季節となりました。
温かな日差しに顔がほころぶこの時期は、紬のあたたかな風合いがなんとも心地がよいですね。
ついつい持っている着物の中からでも、真綿のふっくらとした着物に手が伸びます。

さて、そんな2月には、弊社では毎年「糸くりの詩」と題して、全国各地の織物に特化した展示会を開催いたしております。
こちらの地図、弊社に残る「現代日本染織地図」という資料です。

皆さんのお住まいのところにはどんな文字が書かれておりますか。
これだけ多くの染織品が日本各地にあったのだと実感致します。
先日北は山形、南は沖縄のお方とご一緒にお話しをすることがあったのですが、
雪がしんしんと降る東北と、そろそろ冷房を入れようかと思っているという沖縄の方がおられ、
南北に長い日本という国の多様な風土を実感致しておりました。

その土地の空気を含んだ、その土地ならではのものには、
よい意味での個性があり、そうした個性を楽しめることは、着物の持つ魅力なのだと感じております。

 

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2023/09/21

9月に入り、やっと涼しさを感じる時間も増えてまいりました。
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
本店・営業の久保田でございます。

前回のブログでは秋の着物の着こなしについてご紹介させていただきました。
単衣や袷、どの時期の着物をお召しになるかということはもちろんのこと、どんなお着物をお召しになるか、ということも重要なことですよね。
染めの着物、織りの着物、刺繍や金彩が施されているものなど…
皆様のお好みはどのようなお着物でしょうか。
今回は染色技法の一つ、「絞り」についてのご紹介です。

ゑり善では夏季に新人社員を中心に研修を行っており、工房などを訪れ、職人さんたちの技術を見学させていただきます。お着物の魅力を皆様にきちんとお伝えできるよう、社員が身をもって職人さんの思いや技法を理解し、知識を深めてまいります。

今年は絞りについて勉強し、工房を見学させていただきました。
ということで今回「絞り」に焦点を当てた次第でございます。
研修で得た知識や感動を、この場を借りて皆様にお届けできるよう努めますので、しばしお付き合いいただけますと幸いです。

 

〈絞りのいろは〉

さて、早速ですが「絞り」と聞いて皆様はどのような様子を思い浮かべますか?
どのような印象を抱きますか?

糸を使って防染し、生地を染め上げる絞り。
その仕上がりには、独特の柔らかい輪郭と立体感が生まれます。
その絞りならではの特徴に、可愛い!という印象を抱かれる方が多いのではないかと思います。

日本の絞りの産地といたしましては京都の京鹿の子絞り、以前浴衣でご紹介した愛知の有松絞りが有名です。
それぞれ絞りの方法は異なりますが、今回は京都の絞りをご紹介いたします。

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2023/03/10

いつもゑり善の「着物を愉しむ」をご覧いただきまして誠にありがとうございます。
ゑり善の亀井彬でございます。

着物や帯には、古くから伝わる感性や技が込められております。
染織の歴史は深く、長い年数をかけて、多くの方の知恵と、科学技術の進歩によって、
より便利に、より高度になってまいりました。
染織の技術革新は、日本の発展とともにあったといえます。

一方で現在、高度な分業化によって、育まれて、磨かれてきた「手の技」は
後継者不足や、魅力の共有ができていないために失われていっているものも多くございます。

何十にもわたる工程の中で数えるほどしか職人さんがおられない。
あるいは、平均年齢が70歳や80歳という現場もあり、
染織の世界では今深刻なものづくりの危機が課題となっております。

私自身は30代後半ですが、今後10年20年と、
「これからも伝えていきたい」「残していきたい」と
思えるものがとても多いことに感動する一方で、
「どのようにすれば、後世に伝えていくことができるのか」
という途方もない課題に日々思い悩む日々を過ごしております。

呉服の専門店としてできることは、
「ほんまもん」の魅力を深堀りして
その魅力を、一人でも多くの方の心に届くように、写真や言葉として残すこと。

そんな想いの中、家庭画報のきものSalonさんにて
「京のほんまもん」というテーマをいただき、ご一緒に取り組ませていただくことになりました。

私自身、若輩者で「ほんまもん」とは何か、など語る立場ではございませんが、
この機会を通して、これから、皆様とともに京都に代々伝わる染織技術を学んでまいりたいと存じます。

きものSalonは年に2回、3月と9月の発売となりますので、これからもどうかお楽しみになさってくださいませ。

さて、京のほんまもん第1回は【金彩(盛り上げ)】の技を辿ります。

金彩工芸職人3代目である荒木泰博氏が継承する金彩は
筒書きで多彩な模様を描き出す盛り上げ技法が特徴的です。

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2023/02/10

いつもブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。
ゑり善の亀井彬でございます。

寒さ厳しい中にも、春の足音が着実に聞こえてくるこの頃は、
温かな日差しを見つけては、ちょっとしたお出掛けがしたくなるような季節であるように感じます。

そうした2月に、弊社では毎年「糸くりの詩」と題して、全国各地の織物に特化した展示会を開催いたしております。

訪問着や付下などフォーマルなお着物に比べると、
特に何かの用事がなくとも、気軽に着て楽しめるいわゆる「紬」という織物のお着物。
ご普段から気軽に着物を楽しみたいというお方には、とっても重宝していただける存在です。

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京都・銀座・名古屋にて呉服の専門店として商いをする「京ごふくゑり善」代表取締役社長として働く「亀井彬」と京都で営業として働く「久保田真帆」 二人が日々の仕事を通して感じることを綴っていきます。
日本が世界に誇るべき文化である着物の奥深い世界を少しでも多くの方にお伝えできましたら幸いです。