きものを愉しむ

2022/09/10

七五三のいろは ~七五三の起源とは~

いつも「きものを愉しむ」をご覧いただき誠にありがとうございます。
京ごふくゑり善の亀井彬です。

日中はまだまだ暑さが残っておりますが、朝晩は気温が一気に涼しくなり過ごしやすい日々を迎えております。
昨晩、京都では美しい満月が見え、虫の音とともに秋の訪れを感じる夜となりました。

毎年夏から秋にかけて、京都・銀座・名古屋の各店舗では、お子様のかわいらしいご様子を度々お見かけするようになってまいります。
秋に御参りをなさるお子様の七五三のご準備のためです。

お着物のお見立てや、小物あわせ、ご採寸など、
ご家族皆さんお揃いで、ゆっくりとご覧になられる様子を拝見しては、
私がそうだったように、小さい頃のこのようなひと時が、ご本人様にとっても大切な思い出になっていればよいなぁと感じます。

今では多くのお方に知られるようになった七五三という行事ですが、
それぞれに由来があり、お子様の健やかなご成長を祈るご家族の気持ちがとても伝わってまいります。

<七五三の起源とは…>

七五三の起源については、諸説あり正確なことはわかりませんが、
今から287年前の1735年(享保20年)にかかれた
『江府年中行事』(『続江戸砂子』所収)の11 月 15 日条には
「十五日髪置、三歳の小児今日より髪を置初る也」
「五歳は袴着、七歳は帯解此としより、ひこ帯を取る」
と記されているようです。

今のような七五三という表記ではございませんが、
髪置(かみおき)、袴着(はかまぎ)、帯解(おびとき)という行事があったことが分かります。

〇 髪置とは
 お子様の長寿を願い、3歳の11月の吉日を選んで行う儀式で、この日から髪を伸ばし始めます。
 ”白髪になるまで長生きするように”と願いを込め、白綿の帽子をかぶらせ、氏神に参詣した。と記されております。

〇 袴着
 袴着は、初めて袴をつける儀式で、幼年期から少年期への成長の節目を祝います。
 武家では4歳の11月または5歳の正月に行い、紋服と袴をつけ、大小刀を差して碁盤の上に立ち、帯を締めてもらった後そこから飛び降ります。

〇 帯解
 7歳の女の子の祝いの儀式。
 それまで帯の代用にしていた付紐を取り、始めて帯をつけます。

いずれも、お子様のその時のご年齢やご体系に合わせた行事でございました。

※「髪置」と「袴着」の2つの様子を描いた「儀式風俗図絵」という資料がございます。
金沢大学資料館さんがアーカイブとして公開されておられますが、愛らしいお子様と、周りを囲む方々の様子に、ほっこり致します。
参考:金沢大学資料館 資料アーカイブ

興味深いことに、その他にも、日本各地にはお子様の成長を祝う行事がたくさんあったようです。
 ひもおとし
 ひもなおし
 ひもときいわい、
 おびはじめ
 おびなおし
 かつぎそめ
 かみまねきいわい
などなど。

「お子様のこれまでの成長に感謝して、これからの健やかな成長と幸せを祈る」
今も昔も変わらない風習が存在していることを再認識いたします。

今では数え年に限らず、満年齢でお参りされる方もおられます。
また日にちも11月15日と限らず、ご家族のご都合に合わせてお参りをされる方も多いです。

あくまでもご家族での行事ということで、気をはらずに、ご準備なさるのが一番ではございますが、
それぞれのお祝いに込められた先人の方の願いや想いを知っておくと、
よりお子様への想いが膨らむのではと思い、本日はお子様の行事ごとについて、簡単にまとめてみました。

少しでもご参考になりましたら幸いでございます。

9月、各店では七五三のお祝い着をお揃えいたしております。
お手持ちのお着物や帯を活かした形でのご提案もいたしておりますので、
どうかお困りやお悩みがございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

※今回の記事を書くにあたり以下のサイトを参考にさせていただいたおります。詳しく知りたい方はぜひご一読ください。
 室井康成氏著 都市文明史としての民族学・再論~「七五三」の普及と定着を事例として
 産育習俗語彙 国立国会図書館デジタルコレクション