着物と”じっくり”と向き合うひと時~妙顕寺さんでの錦秋会を終えて~

2020年10月13日

2020年10月10日・11日の二日間。
弊社WEBページで告知致しておりました京都本店による秋の特別ご招待の会 「錦秋会」 を無事終えることができました。

妙顕寺

このような状況の中、またお足元が悪い中にも関わらず、お運びくださった皆様に心から感謝申し上げます。

「今年初めてお着物を着ました!」と素敵なお着物姿に素晴らしい笑顔で嬉しそうにお話くださるお方。
「やっぱり着物をこれからもっと着ないとね」とこれから着物を着る決心?をされてお帰りになられたお方。
お嬢様やお孫様と一緒にお出掛けくださり、着物を介したご家族との会話を楽しまれるお方。
妙顕寺さんの心地よい空気を、お庭の傍でじっくりと楽しまれるお方。

ご来場くださった皆様からの温かいお言葉を伺い、素敵な笑顔に触れて、
新型コロナウイルスによる自粛に耐えて、ようやく開催することができた「ありがたみ」を噛みしめておりました。

また同時に、これからも皆様に心から楽しんでいただけるように、
お着物と”じっくり”と向き合っていただける場を、今後も作り上げていきたいとやる気がふつふつと沸いてまいりました。
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夏が燃え尽き秋めく夜~五山の送り火~

2020年08月16日

おはようございます。ゑり善の専務取締役の亀井彬です。

京都のお盆といえば、「五山の送り火」が有名です。
13日から家に帰ってこられていたご先祖さんの霊をお送りします。

8月16日の夜。日が沈んでから順々に点火される景色は、いくつになっても感動致します。
高い建物の少ない京都では、市内の様々な場所から見ることができます。

大文字山の「大」
松ヶ崎の西山・東山の「妙」「法」
西賀茂の船山の「船」
金閣寺に隣接した大文字山の「左大文字」
嵯峨の曼陀羅山の「鳥居」

点火の仕方や火の色など、実はそれぞれの山の特徴があることは、私も最近まで存じ上げておりませんでした。
ひとつひとつ字体も異なり、味わい深く楽しむことができます。
仏教が庶民一般に広がった室町時代以降に起こったといわれておりますが、正式な起源は明確ではないということ。
五山の近くにお住まいの方々が大切に脈々と残してこられたお盆の行事です。
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「おもてなし」の心に触れる-京都迎賓館-

2020年01月21日

おはようございます。ゑり善の専務取締役の亀井彬です。
いつもブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。

昨日から大寒に入りました。冬の季節の最後の節気です。
例年一年で一番気温が低い時期は2月はじめあたりということですが、
この大寒を過ぎますといよいよ春に向かって季節が進んでまいります。

さて、昨日は本店が定休日でしたので、
「京都迎賓館のプレミアムガイドツアー」に参加してまいりました。
おかげ様も天候も穏やかで、1時間半ほどかけ、ゆっくりと拝見させていただきました。

京都迎賓館は平成17年4月に開館した国の迎賓施設です。
京都御所の敷地内にございますが、詳しい場所などはあまり知られていないように感じます。

日本の歴史や文化を象徴する都市である京都で、海外からの来賓のお方を、
心を込めてお迎えし、日本への理解と友好を深めていただくことを目的に建築されました。
東京にある迎賓館赤坂離宮とともに、賓客の接遇の場としての役割を果たしています。

平成28年からは通年公開を開始されており、一般にも拝見することができるようになりました。

<桐の間>
和食を提供する「和の晩餐室」

京都迎賓館
京都迎賓館

建物や調度品には、数寄屋大工、左官、作庭、截金、西陣織や蒔絵、漆など
数多くの京都を代表する伝統技術において匠の技が用いられております。
弊社とも繋がりの深い人間国宝、喜多川俵二氏がおつくりになられた有職織物の几帳にも目を奪われました。

日本建築の伝統の粋と美しさを存分に触れることができる空間。

建物や調度品自体が目立つことなく、
あくまでも主役である来客を引き立てるような空間づくり

日本の「おもてなし」という考え方のすばらしさを深く感じることができました。

<庭園>
廊橋(ろうきょう)からの眺め

京都迎賓館

<和舟>
この広大な池で海外からの賓客に日本の文化である「舟遊び」を楽しんでいただくそうです。

京都迎賓館

毎週水曜日を除いて、ほぼ毎日ガイドや自由参観をされております。
中では一部を除いてお写真を撮ることも可能ですので、お着物でのお出掛けにもぴったり。

是非皆様にもご覧いただきたい素晴らしい場所でした。

南座の「吉例顔見世興行」が明日から始まります!

2019年11月29日

おはようございます。ゑり善の亀井彬です。
いつもブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

昨日の京都は何といっても寒い一日でした。
朝方の気温が12度ほど。それからは気温が上がらず10度を下回るような一日。
厚手のコートやマフラーをされている方が目立ちました。
12月を直前にして、いよいよ冬の到来を感じるようになってまいりました。

京都に年末が近づいてくると、楽しみになるのは南座の「吉例顔見世興行」ではないでしょうか。
昨年、南座が改装され、今年は令和になって初めての公演となります。
公演に先駆けて、26日から「まねき」も上がり、南座の前を通ると自然と気持ちが高まります。

皆様は「吉例顔見世興行」はご覧になられたことはございますでしょうか。
恥ずかしい話ではあるのですが、私はこの仕事をするまで、歌舞伎をきちんと見たことがありませんでした。
5年前のある時に「京都にすんでいるなら、顔見世にはいかなきゃ」とお客様から熱烈なお勧めを受けたのがきっかけです。

「かぶき踊り」が出雲の阿国によって京都で始められたとされるのが1603年。
すでに400年以上の歴史がありますが、時代が変わっても日本人の心に響くストーリーの大筋は変わらないのが不思議です。

まだまだ楽しみ方も勉強中の身ですので、顔見世興行では、いつもイヤホンガイドを借りています。
話のストーリーやその場面までの背景などを知ることができることに加えて、見るだけではわからない「衣装があらわしている意味」を知ることができることがイヤホンガイドの魅力の一つです。

役者さんが来ている衣装には、どのような意味が込められているのか、また見ている人も、役者の衣装から何を感じ取っているのか。
着物に携わるものとして、見た目の美しさだけでない、衣装の持つ役割を教えてもらえる時間になっております。

南座の吉例顔見世興行といえば、「やはりお着物姿で!」というお客様は今も多いです。
江戸時代、劇場と役者は、一年ごとに契約を結んでおり、顔見世興行は翌年一年の一座の顔ぶれを披露する最も重要な興行とされていました。そのため観客の側も、「その日の為にお着物を新調して、役者さんへの敬意を示していた」というお話を聞いたことがあります。
普段なかなか数多く作ることはできないけれど、1年の締めくくりの顔見世興行には、一帳羅でお出掛けを!というお気持ちがあったのだと思います。

「顔見世興行にはできれば『やわらかもの』のお着物で行きます」とおっしゃるお客様が多いのも、こうしたことが由来なのだと実感します。
※ちなみに、「やわらかもの」とは、白生地に後染めのお着物のことを指します。訪問着や付下、色無地、小紋など。一般的に友禅といわれるお着物は「やわらかもの」のお着物の代表です。「たれもの」とおっしゃる方もおられます。
一方で「かたもの」といわれるのが、先に糸を染めてから織り上げる先染めのお着物のこと。大島紬や結城紬など各地の産地の紬が「かたもの」の代表です。

このような背景から、お客様からも顔見世興行で着る着物はどのようなものが良いの?とご質問をいただくと、やはり「やわらかもの」のお着物をお勧めしております。

とはいえ、今では織り物の紬をお召しのお方も多いですし、あくまでも観劇はおしゃれ着としての楽しみでもありますので、お客様がお召しになりたいお着物をお楽しみになられるのが良いのではないかというのが、わたくしの個人的な感想です。

是非、今年の顔見世興行には皆様もお着物姿でお出掛けくださいませ!

いよいよ明日から始まります。今年はどのような公演になるのか、待ち遠しく思います。

南座からは歩いて5分ほどのところに、弊社もございますので、是非顔見世興行の前や後には、弊社にもお立ち寄りくださいませ。

お客様に文化の入り口まで連れて行っていただける、この仕事のありがたさを思いながら、本日もお着物と向き合います。
長くなりましたが、最後までお読みいただきましてありがとうございます。

世界が驚く日本の宝物「正倉院展」

2019年11月13日

おはようございます。ゑり善の専務取締役の亀井彬です。

日に日に変わりゆく楓の赤色と銀杏の黄色が目に美しい季節です。
秋は何といっても芸術の秋。

先日、「御即位記念 第71回 正倉院展」を見に奈良へ行ってまいりました。
ご存知の方も多いかもしれませんが、本日は正倉院展のご紹介を簡単にさせていただきます。

正倉院宝物とは東大寺の蔵であった正倉院正倉に伝えられてきた9000件ほどの宝物になります。
宝物の作られた時代は大半が8世紀であり、宝物の内容は調度品、楽器、武器、武具、文房具、飲食器、仏具、文書、染織品などなど、多岐にわたります。

今年の出陳品も見ごたえがあり、特に『七條刺納樹皮色袈裟』には、長い歴史を経てうまれた言葉にできない美しさがあり、思わず見とれてしまいました。

約1250年以上も前に作られた古代の宝物が建物の中において、良質な保存環境のもとでまとまって残されている例は、世界でも他に類を見ません。

偶然残った(土に埋まっていたのが見つかった など)とはレベルが違い、この高温多湿な日本の地において、「これを後世まで残す」という明確な意図をもち、気候を鑑みた保存方法を当時の方が熟知し、実践してきたこと。またどのような時代においても、その保存を続けてきていることには、ただただ驚くばかりです。

日本という国が持つ歴史と文化、そしてそれを支えてきた先人の方々の知識と努力を感じ、今を生きるものとしての責任を感じて帰って参りました。

奈良の正倉院展は、明日14日までですが、今年は東京国立博物館にて『御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―』として11月24日まで開催をされています。

皇室が大切に守り続けてきた日本の美を、どうかご覧になってくださいませ。