ゑり善の人

本店・営業職

米田 幸次Yoneda Kouji

PROFILE

仕事内容

営業です。外商で外回りをしております。

仕事をするときに大切にしていること

人との出会いを大切にすることです。
入社前に前会長から「この会社は面白いぞ」と言われたのが心に残っています。機を織っている方たちの夢、友禅をしている方たちの夢、お客様の夢もある、夢に包まれた仕事だからどうだ?やってみないか?と言われて、今日までやらせていただいています。入ってよかったと思います。

ゑり善はどんな会社?

ゑり善は430年以上の間、人と人との縁を大事にしてきています。その時代その時代の販売員が人を育て、駅伝のたすきを渡して、今に至っています。これはゑり善という会社の素晴らしい資産だと思います。
現会長に「会社から一歩出たら君も社長なのだから、自信と覚悟をもってお客様に当たりなさい」と言われたことがあります。みんな覚悟をもってやっていると思いますし、それをずっと絶やさず粛々と続けているのがゑり善という会社です。
ゑり善の姿勢とは、駆け引きをしないこと。また自然でいることだと思います。
「正商」という言葉の通り、真心を込めた値段でお客様に提供することが私たちの仕事です。

出身地

京都の山奥、冬には雪が1メートルくらい積もるようなところです。

座右の銘

『心医(しんい)』
韓流の時代劇が好きで「ホジュン」という医療ドラマを見ていたら、その中で『心医』という言葉を聞きました。呉服屋も心の医者である、と先輩方の姿勢を思い返してしみじみと思います。お客様の心を癒してくれる、そういう仕事だと思います。
若い頃は「調子が悪いんじゃないか?」「元気がないな」と察知して声をかけてくださるありがたいお客様に支えられていました。自分も年を重ね60代になったころ、お客様のお顔がやっと分かるようになってきました。

プロフェッショナルとは

生産者の夢、悉皆する人の夢、お客様の夢、三者それぞれの夢があります。その夢を紡ぐのが自分の仕事だと思っています。お客様にはニコっと笑ってほしいし、生産者の方にはお客様から喜んでいただいたという言葉を伝える義務が私たちにはあると思っています。
お客様は神様だと言いますが、私には神様がたくさんいます。自分にできないことをする人たち、生産者・悉皆・仕立て・お客様…その神様を繋いでいくこと、それが前会長の想いだったのかなと思っています。

商売とは

小学生の頃、テレビで花登筺(はなとこばこ)さん脚本の「堂島」「船場」「あかんたれ」などの商売の物語を観て、商売って面白いなと思っていました。浮き沈みはあるけれど、いろんな人の力を合わせてやっていけるのが魅力です。
呉服のなかにも『呉服道』という道があると思っています。呉服道は感謝抜きでは語れません。感謝は人間の支柱、感謝があるから感動することができるのです。

今後の課題・目標

毎年入社してくる人たちは、自分が持っていないものを持っていて助けてもらっています。
次の人を育てることが大事な仕事です。自分を育ててくれた方に報うためにも頑張りたいと思います。

ゑり善の好きなところ

ものと心を大切にするところです。
昔、尊敬する先輩から「米田くんは店頭にいたらお金持ちの人ばかり当たるなぁ、僕はそうは思わないよ」と言われたことがありました。その先輩は「スリッパの人も店に入ってこられるけど、そういう人のほうが心が豊かなんだよ。僕は商売で人の区別はしない」とおっしゃっていて、これが商売人なんだな、自分もそういう風になりたいと気を引き締めました。
苦労されてきた方は良い言葉を知っておられます。今の自分にはそういう方々からのファイルが頭の中にいっぱいあります。

きものの楽しみとは

最高の伊達者。人生が変わるきっかけになると思います。
きものはその人の魅力を引き出す力もあるけれど、まわりも変える魔法の力があります。