《金彩》荒木泰博

荒木泰博
かつては印金と呼ばれ、手描友禅よりも古い歴史を持つ金彩加工は、江戸中期からたびたび出された幕府の奢侈禁止令によって、刺繍や鹿の子絞りと同様に禁制品となり、江戸末期には一度姿を消しました。
明治初期、荒木泰博氏の祖父で友禅染の糊置職人であった茂太郎氏は、豊富な糊の知識を生かし、箔を貼るのに最も適した糊を見つけ出して、金彩の技術を復活させました。
昭和25年、祖父・茂太郎氏、父・孝泰氏は大覚寺の杉戸絵に描かれた草花の胡粉のふっくらとした盛り上げに着想を得て、その2~3年後、金箔での立体的な表現「盛り上げ技法」を編み出します。
三代にわたって金彩加工の技術を継承し、発展させ、泰博氏は2003年に日本の伝統工芸士に認定されています。

盛り上げ技法とは

盛り上げる箇所に置いた糊が乾燥するのを待って金銀箔類を接着します。箔が厚みもち、ふっくらと盛り上がった刺繍のような立体感があります。
染め模様なしで金彩だけで作られた泰博氏の作品は、金の豪華さと品格ある美しさを併せ持っています。

荒木泰博 略歴
1957年(昭和32年) 京都生まれ
1980年(昭和55年) 京都工芸繊維大学 色染工芸科卒業
1992年(平成4年) 家業を継承
京都金彩工芸協同組合理事に就任
2000年(平成12年) 京都金彩工芸協同組合副理事長に就任
2002年(平成14年) 日本染織文化協会理事に就任
2003年(平成15年) 伝統工芸士認定
2004年(平成16年) 京都手描友禅協同組合副理事長に就任