ゑり善について

創業天正12年 京の着物

縫衿本能寺の変の2年後にあたる天正12年(1584年)、半襟や和装小物を商う店として、ゑり善は創業しました。屋号は、半襟の「ゑり」と創業者山﨑善助の「善」に由来しています。明治時代にはかなり繁盛していたようで、夏目漱石の日記(明治42年10月16日)や、幸田露伴の『辻浄瑠璃』にもゑり善の名が登場しています。大正から昭和の初期にかけては精緻で贅を尽くした半襟が人気を集め、ゑり善の半襟は京都のみならず全国各地の方からもお買い求めいただいていたようです。

大正時代のゑり善
大正時代のゑり善

戦後の着物の着付けは襟元を広く開かないものが主流となり、半襟の需要は絢爛な装飾がほどこされたものから白色無地のものへと移りました。大正から昭和初期にかけて高い技術を誇った半襟の刺繍職人の多くはこの時期に引退しました。ゑり善の取り扱い商品も半襟をはじめとする和装小物から、その伝統的な技術・技法を活かした着物や帯などが主流となり、「ゑり善好み」として広く知られるようになりました。

長らくご愛用いただける「ゑり善好み」

ゑり善好み京都の華やかで上品な美意識と伝統技術に培われたゑり善の着物は「ゑり善好み」と評され、お蔭さまで今日では着物好きの方々に広く知られる専門店となりました。
今後も装いの喜び、楽しさを発信する店として、お客さまのご要望に最適な着物選びはもとより、TPOやコーディネートのご相談など、皆さまのお役に立てる呉服店でありたいと願っています。

沿革

1584年(天正12年) 半襟・和装小物の店として創業
1947年(昭和22年) 株式会社設立
1957年(昭和32年) 東京・銀座すずらん通に銀座店開店
1971年(昭和46年) 名古屋・千種区覚王山に名古屋店開店
1987年(昭和62年) 名古屋店 天白区八事に移転
2008年(平成20年) 京都本店 新装開店

◇ ひとくちメモ ◇
半襟とは、長襦袢に縫いつけて使う襟のことです。襟は汚れやすいので、その部分だけ付け替えて使います。それと同時に襟元はおしゃれの大切なポイント。現在では半襟は白の無地が多いですが、襟元を今より広く開けて着付けていた昭和初期までは、それは贅沢な品がたくさん作られていました。

明治〜昭和期の俳人、河東碧梧桐の「半襟は衣裳より費を惜しまず掛けしぶらず」という言葉が、今も本店に掛けられています。
半襟は費を惜しまず掛けしぶらず